取扱中物件 / 再生・施工実績
再生・施工実績
元から綺麗だったお部屋をイメージチェンジするリフォーム
不動産・住宅業界においてリノベーションという言葉が浸透してから久しくなりました。
リノベーションとは間取りや水回りの配置等大がかりな工事が必要になりますが、この物件はリノベーションを必要としないというよりは、一度行われていたため必要が無いものでした。
ただデザイン的なもの、例えばフローリングの柄や色目などは少し古い印象だった為、床材を思い切ってタイル調のものを採用してみるなど新しい試みを行いデザイン面での変更を中心にリフォームしました。
使った床材は他の現場でもよく使うフロアタイルとい言われる物で、これがいろいろなデザインが有って面白い。今回は廊下と寝室をモルタルタイルにしてリビングやもうひとつのお部屋に朽木のような雰囲気の木目、そしてリビングと繋がった「和」のイメージの空間にはタタミ調ではなく、漆塗りのようなイメージの床を採用し個性的なデザインにしました。
水回りの設備も全く汚れておらず、こちらも床材や壁紙のデザインを変えるだけでしたが色や柄の雰囲気を変えることでイメージチェンジができました。
一
高度経済成長時のマンモス団地を令和スタイルへ
弊社では相続物件や相続対策などの物件を取り扱う事が多いのですが、この物件は相続対策でした。
相続対策というと資産を沢山保有している富裕層が相続税の対策として不動産を売却し、新たな不動産を買うような資産の組み換えなどが有ります。
でもそれはやはり一握りの方が考えなければいけない事で多くの人は気にする必要も有りません。
ではこの物件はどんな相続対策が有ったかというと、所有者が高齢で施設に入ることになりその資金が必要になりました。
かつて日本は高度経済成長した時期があり、地方から仕事を求めて沢山の人が首都圏へ流入してきました。
すると住宅不足という社会問題が発生し、行政は団地という集合住宅を郊外に沢山建てはじめその問題を解決するようにしました。
時は流れ高度経済成長期にそのような団地に住まわれた方は高齢となり、併せて住宅も古くなってしまいました。
子供たちは既に独立しご夫婦、または単身という世帯が増えています。高齢になっても元気であれば良いのですが、階段の上り下りひとつとっても大変になり施設への入所を決めた所有者さんがその資金調達という目的で売却となりました。この対策実はとても重要でまだ不動産を売却できる意思能力があれば良いのですが、そうでない場合成年被後見制度を利用する必要が有り時間や余計なお金が掛かってしまい売りたくても売れない状況になり得ます。
そのような背景の物件でしたが、初めに完全にスケルトン化させて一から物件を造り直しました。
そして他の棟でもリフォーム物件は出ているのですがキッチンをカウンター式に仕上げている物件はどこにも無かった為、カウンターキッチンのLDKと繋がったお部屋をリビングの延長としても使えるようにリノベーションしました。
キッチンをカウンター化させることは、簡単なようで給排水、ガスの配管取り回し、換気扇の排気ルート等思っている以上に難しく費用も掛かりました。
でもそのような物件を探していたお客様にはとても気に入っていただくことができ、昭和の象徴である集合住宅の新たな可能性を見つけることができました。
一
医療施設兼住宅という特殊な不動産
医療施設と併用した住宅ということで、なかなか一般的な購入者が見つからない物件。
しかも売主は事情が有って既に引っ越しをしてしまい、更にそのままの状態の為物件を内見したとしても全く感度の出ない状態。
ただ敷地も広く建物は築年数が少し経っていましたが、とてもグレードの高い材料を使い見る人が見れば良い物件だということが判りました。
一般的に日本の建物は木造での経済的価値が22年~25年程度で償却されてしまいますが、あくまでも簿価で有り建物によってはまだまだ価値が有ります。
余談ですが簿価上では価値が1円になってしまうのに固定資産税や都市計画税は課税されるのって、なんだか変な話だと思っています。
そして不動産仲介業者などはその考え方に則り、売却の依頼を受ける時には建物の価値をとても低く査定することもあります。
弊社では既存の建物をいかに有効活用できるのかを前提としていますので、どこに価値を見出せるかをとにかく考えるようにしています。
そうは言っても物件はかなり特殊なので、まずは放置された残置物の処分や伸びきっている庭木などの剪定を行い、その後既存住宅売買瑕疵保険に加入できるように建物の検査をしてもらうところから始めました。
するといくつか防水等の修繕をした方が良いという指導が有ったため修繕を行いました。
販売については、先にリフォームをしてしまうと様々なニーズに対応できない為購入後リフォームを提案する方法で販売を行ったところ、パン屋さん兼住宅や
自宅兼賃貸住宅などを行いたい人からの問い合わせが有りました。
結果的に建築業を営む半分同業の方が買われた為、弊社がリフォームを行い物件の完全再生を行うことはできなかったのですが、価値を見出していただき有効活用をしていただくことができました。
相続で所有されたお客様の不動産
相続で不動産を所有し売却するとなった場合、多額の譲渡所得税を払う可能性があります。
増してや都内の物件ともなれば、購入時よりも売却の価格が高く先代の購入価格を契約書等で証明できなければ、当時の取得費は売却価格の5%で計算されてしまいます。
この物件もそのような案件で、更に売却した場合「短期譲渡所得」と言って譲渡所得金額の約40%(所得税・市民税)が課税されてしまうような状況でした。
そこで当時制度として利用できるようになって間もない「被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特例」を利用することができるかを確認していきました。
この特例、話としては良さそうなのですが、様々な要件をクリアしないと使えないようになっている為、取扱いには注意ですし最終的には税理士さんや税務署に確認が必要です。
ともあれ要件の中に所有者による更地化が有りますので、建物を再生して利用することはできませんでしたが更地として生まれかわりました。
更地にするにも東京のような市街地で街が古い場合、今度は境界杭が無かったり境界の主張が異なるなど境界に関する問題がほぼどの物件にも存在します。
この物件では「隣地の越境」と「隣地所有者が遠方に居住且つ外国人」という事で境界確定をするのにとても時間と労力が必要でした。
それでも今の法律に適した形で、次の購入者が問題なく暮らせるように商品化させることが不動産再生の重要なポイントでした。